図面のスケール

今、多くの実施図面を書いている。

自分の場合、1/50と1/5のスケールを行き来する。

まず、ざくっと1/50の図面を書く。

住宅設計において、1/50が1番スケール感が身についているからだ。

だから、寸法線がなくても感覚的に狭い、広い、高い、低いが分かる。


その後は、ひたすら1/5のディテールを書く。

手で書き→PC入力→手で書き→PC入力

このループがひたすら続く。

しかも、この苦労が現れないディテールを求めている。

ディテールが主張する建築でなく、マイナスの建築を目指している。

この答えは、誰も教えてくれないが、

理屈と過去の事例を参考にしながら試行錯誤が続く。


見積り時に、ここまで書くのと聞かれることが多い。

これは、自分が監督時代の経験からだろう。

やはり職人に伝える図面書きで在りたいからだと思う。

当然、予算に跳ね返ってくるが、現場でもめるより良いと考える。

それは、住宅を引き渡してからのメンテナンスのほうが遥かに長いので、

現場とは良好な関係を築いておきたいという思いが強い。


だから、1/5の図面を大切にする。


今後も変わらない考え方であろう。



川本あ。