光の郭 プロジェクト第2章

[第2章]

古き良き懐かしい街並み。軒並みを揃えて木造建築物が佇む風景。

しかし、南側には敷地境界いっぱいに2階建ての隣家が建ちはだかっていました。
率直に、日当たりの悪い住環境でした。

太陽の恵みとも言われる陽の光を享受することがあまり期待できない敷地環境の中、そもそも、光とは人の視覚に刺激を与えて明るさを感じるものであるからこそ、空間に対して等価な光を取り入れることができれば全体も一部も明るいという認識ができる場となるだろう。
だから、光と空間という関係においては、トップライトからの光を取り入れる方法が理想的ではないかと考えました。

一般に、外壁に多くの開口や大きな開口を設けたとしても、周囲に対して互いに視覚が広がりすぎて快適ではなかったり、
コートハウスのように内に面した開口からの光は、空間に対して均一な光とはならず、建築形態自体もコストアップとなってしまいます。
逆にトップライトのような光は、自然的要素や社会的要素に対して同時に応えることができ、かつ、光と空間の等価性を考えた上では最も有効的と言えたからです。

ただし、光=開口という形で、安易に有効的にはたらくわけではありません。

つまり、単純に光=開口(窓)みたいなことや一般的な建築形態による光の取り入れ方でも成し得ない、最小限のコストで特別な場所をつくるために、極めて単純な構造・単純なシステムによる光という住空間をさらに模索しました。


では次回・・・。


川本ま。