住まう工夫

静岡市内の街を歩いていたら、目に留まった風景。
築何年だろう・・・とても古い建物でどこが玄関らしい玄関かも分からない。
でも、わずかに残された道路との境目の敷地に、植物は身の丈を知っているのか???所狭しと並んでいた。

ワタシはとても気持ちよく見えた。
生き生きしている植物たちが、嬉しそうだったから〜。
ついでに、住んでいる人の顔までも勝手に想像したりした。


最近、

敷地が狭いから庭ができない・・・

南側じゃないと日が当たらない・・・

駐車場から玄関まで屋根がないと濡れちゃう・・・

エアコンがないと困っちゃう・・・

とか、とにかく何でもいいけれど、人って知らない間に固定観念や決められた事柄の中で物事を解釈しがちです。
生き急ぐかのように、結論だけを欲しがる。
住まいをコンピューターのように機械的にとらえてしまったら、消耗品です。

日々住まうことや生きていくことって決まりや答えはないですよね?!
みんな、顔も違うし趣味も仕事も違う。
毎日のご飯だって違うんだから。

建築もたった一つの正解はありません。
でも、いろんな人やいろんな事、いろんな物に出会いながら生きていくわけだから、その中で住まう工夫を住まう人がすることも、生きる建築・愛される建築となっていくはず。
ワタシの仕事は、その生き方・住まい方を導いているだけです。

それら過程を、ゆっくり旅のように楽しむのも良いのではないかな。。。と思います。

少し肩の力、抜いてみたいものですね。

この家は、住まう人がそれなりの工夫の中で生きている・・・と、感じました。


川本ま。